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世界自然遺産「白神山地」

秋田県と青森県にまたがる、白神山地は、ユネスコの世界遺産(自然遺産)として1993年11月に登録されました。法隆寺地域の仏教建築物、姫路城(以上、文化遺産)、屋久島(自然遺産)と共に、日本で最初に世界遺産として登録されました。人の手が加えられていないブナの原生林からなる山地です。

世界遺産登録基準の、自然遺産基準9を満たしていると認められ、登録されました。

基準9:陸上、淡水、沿岸、および、海洋生態系と動植物群集の進化と発達において、進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。

自然遺産登録地区およびその周辺には、津軽峠、暗門の滝、白神岳、津軽国定公園十二湖、など、見どころがありますね。しかし、登録後、観光客のマナーの悪さが指摘されるなど、問題も生じています。

白神山地全体の面積は13万haですが、そのうちユネスコの世界遺産に登録されたのは、約1万7千haです。世界遺産に登録されたのは、その広大な面積のなかでも特に、林道などの整備がまったく行われていなかった中心地域なのです。これらの地域は世界遺産登録以来、開発が止められています。登録以前からあった登山道しかなく、今後も整備の予定はありません。禁猟域であり、また禁漁ともされています。林道すらないことから、中央部の核心地域では世界遺産登録後、遭難事故で死者も出ています。

白神山地が世界遺産に登録されたのは、他の名勝地のような美しい自然や広大な景色からではありません。ブナというのは、シイタケ栽培ぐらいにしか利用価値がなく、寿命も200年といわれ、短命なのです。そのため自然に放置されたブナは他の樹木や生物の生存に対して重要な栄養源となります。白神山地には、若木から大木、老木、さらには朽ち果てたものまでが手つかずで残されており、このような原生地区が世界的にも珍しい、ということが登録の理由となりました。また、白神山地は現在も隆起が進みつつあり、地盤が弱いために林道を作っても崖崩れでふさがれてしまいます。また冬季は雪に埋もれることも、人為の影響を拒む結果を招いたのでしょう。

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